Twitterで「EDHプレイヤーなら数字で語れ」的な話題をいくつか見たので,自分が使っている中で,最も要求値が高いのに何故か最も安定して回すことができている《フェイに呪われた王,コルヴォルド》について諸々のパーツを引ける確率を計算してみた.当然,安定するように組んでいるからそのような結果になっているのだが,体験は客観的論拠に基づいて示してこそ活用できるとどっかで教わった気がするので.

前提条件:計算は yazirusis.com/calc/probability.html と一部手計算で算出.マリガン条件は「選択なし重複あり」に設定(フリーマリガン1回,横除けなしの状況).初手ドローあり.


今回は「○ターン目まで(想定される枚数を山札の上から引くまで)にキーカードが揃う確率」を計算したものであり,フェッチランドやサーチによるデッキ枚数の変動や他の項目との相互関係は無視するものとする.また,何%あれば安定して引けると言って良いのかについては検討していない.あくまでも,ざっくりと安定感を見る程度のものとして読んでいただきたい.
独立した各要素をすべて満たす確率を出すようなことは今回行っていない.ただでさえガバガバ計算なのに誤差が蓄積して目も当てられないことになると予想されるため.


土地関係

 コルヴォルドを使う上で最も重要なのが,ジェネラル着地まで安定して土地が置けること(多分どのデッキでも同じだが).基本は3~4T目の着地を目指すが,今回は理想的な動きができる確率が知りたいため,3Tまで土地が伸びることを目指す.
次に必要なのが,4Tまでに最低1枚のフェッチランドにアクセスできること.コルヴォルドをドローエンジンとして機能させるための必須パーツ.1枚引き込んでしまえばラムナプの採掘者や世界のるつぼ,レンと6番などで使い回すことができる.

① 3Tまで毎ターン土地が置ける確率

土地38 枚だと,3T目までに3枚以上引ける確率は94.3%
同じ要求値で土地を35枚まで減らすと87.4%,32枚だと81.5%まで下がるので,ジェネラル自体が激重+安定感を求めるこのデッキだと妥当な枚数だと言える.
フェッチを切る関係上,実際はもう少しだけ低くなるけど,基本的には誤差の範囲のはず.計算しようと思ったけどフェッチが絡むと場合分けが途端に面倒になるのでやめてしまった.

② 4Tまでにフェッチランドにアクセスできる確率

フェッチランドは,青白を除くアンタップインフェッチ9枚と虹色の眺望の計10 枚を投入する.この場合,
3Tコルヴォルド着地誘発の1ドローを足して4Tまでに1枚以上引ける確率は88.1%
4Tコンバット誘発によりもう1枚ドローしていると89.5%
3,4Tにジェネラルキャストできず,1ドロー追加できなかった場合は86.6%

寓話の小道も投入してもいいが,4ターン目まではタップインとなるため今回は考慮に入れない.もちろんその後の動きを安定させるためには十分投入も検討できる.

マナ加速

前述の状態を成立させるために揃えておかなければいけないのが,毎ターン土地を置けることに加えて1,2Tのマナ加速が十分にできること.《魔力の墓所》,《暗黒の儀式》,《ほくちの壁》,《太陽の指輪》の4種類は,これ1枚で2マナの加速が可能なため3Tジェネラルキャストが成立する.これ以外の1,2マナ加速なら2枚以上必要.《魔力の墓所》,《暗黒の儀式》は3ターン目に引いてもよいが,今回は計算が煩雑になるため2Tまでに引き込める確率を計算する.
2マナ分加速できる4枚を2Tまでに1枚以上引ける確率は49.6%
1マナ分加速できる18枚を2Tまでに2枚以上引ける確率は69.6%
どちらも揃わない確率は15.3%
どちらか片方は揃う確率は84.7%

システムとなる置物の設置

コルヴォルド着地後に設置したいものは,大別して,
①墓地からの土地セットor回収をするもの
②土地のセット権を追加するもの
の2種類.
 ここまで準備ができれば,あとは安定して動くことができる.

①に該当するのは《ラムナプの採掘者》《世界のるつぼ》《レンと6番》の3種類.このうち,サーチが容易な採掘者を積極的に狙っていくことになる.現在,クリーチャーをサーチできるカードは13枚入れているが,《最後の願い》に関しては重いので除外して12枚を計算に入れる.すると,計15枚のうち1枚を4Tまでに引き込めればいいので,

4Tコンバットとフェッチ1回分のドローを合わせてアクセスできる確率が97.5%
フェッチをきることができず,コンバット前だったとしても96.3%
 
 ②に該当するのは《迷える探求者,梓》《ムル・ダヤの巫女》《イリーシア木立のドライアド》《むら気な長剣歯》の4種類.すべてクリーチャーなので,①と同様に12枚のサーチカードを含めて計算する.

4Tコンバットとフェッチ1回分のドローを合わせてアクセスできる確率が98.1%
フェッチをきることができず,コンバット前だったとしても97.1%

確率からわかること

 上記のように,このデッキを回すに際して必要な項目の多くは90%以上の確率で必要な段階までに揃う(90%が高いか低いかは別として.りゅうせいぐんやねっぷうの命中率と思うと低い気がしてくるのは秘密).
 システムクリーチャーについては,必要なターンまでに設置できる確率がいずれも高く(97.5%と98.1%),ここについては然程注意を払わなくても揃えられると考えられる.土地についても,一般的なEDHのデッキよりも多めに入れているので,3Tまでは毎ターンのセットを安定して行える(94.3%).
 逆に90%を切っているのは,「4Tまでにフェッチランドにアクセスできる(89.5%)」と「マナ加速が間に合う(84.7%)」の2つ.フェッチランドはなくても展開自体はできるが,マナ加速が間に合わないと数ターンの遅れに繋がるので,優先してケアするべきはマナ加速だろう(だいもんじの命中率とだいたい同じというと信用するわけにはいかないことがわかる).そのためには,枚数を増やすかマリガンの基準を厳しく取るかどちらかになるが,マナ加速については現時点でも割と限界まで積んでいるのでできればマリガンで対処したい.今回はフリーマリガンまでの数字なので,マナ加速について不十分な手札だった場合には1枚少なくなってもマリガンした方がいいかもしれない.

マリガン基準を考える

以上のことからマリガンの基準を考えると,無いと始まらないのが土地(最低2枚できれば3枚),意識的に揃えなければいけないのがマナ加速,その他はなんとかなると考えるのが良さそう.
以下は,初手7枚(マリガン1回)に特定のカードがある確率を示す.

マナ加速2枚以上かつ土地3枚以上を含む確率→35.2%
マナ加速2枚以上かつ土地2枚以上を含む確率→59.5%
マナ加速1枚以上かつ土地2枚以上を含む確率→89.6%
マナ加速1枚以上かつ土地3枚以上を含む確率→66.7%

理想的な初手としてはマナ加速が2枚と土地3枚.これならば,初手の中身だけで3Tコルヴォルドキャストが可能.妥協点としては,土地についてはデッキの1/3以上投入しているので1枚くらいはあとから引けると考えて2枚にするくらいか.それだと揃う確率は59.5%.ただし,これでもまだ4割以上は揃わない計算になる.まぁ,これだけ揃えばキープしていいだろう.
マナ加速1枚と土地2枚まで妥協すれば89.6%まで上がるが,2Tまでにマナ加速をもう1枚+3Tまでに土地を1枚以上引かないといけないので開始後の要求値がとても高い.これが揃っていて初手5枚まで減らすかとなるとかなり怪しいが,6枚キープまではマリガンした方がマシだろう.



…はじめての試みだけど面白いなこれ.

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